ここがパンチライン!(本とか映画、ときどき新聞)

物語で大事なのはあらすじではない。キャラクターやストーリーテリングでもない。ただ、そこで語られている言葉とそのリアリティこそが重要なんだ!時代の価値観やその人生のリアリティを端緒端緒で表現する言葉たち。そんな言葉に今日も会いたい。

『カルテット(6)』:どうしてこうなったのか、わたしにもわからないんです。

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結婚した相手の価値観の違いを、どういうところに観るか。

 

唐揚げに何も聞かずにレモンをかける妻。

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 「これ、人生ベスト1だから」って借りてきた自分の好きな映画を一緒に観ているときに、「この人はいい人か悪い人か」とか「なんでさっき一緒にいたのに今は別々なのか」とか逐一疑問を質問してきたり。挙げ句、ガン寝する妻。

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 近くにカフェ出来たから散歩がてらに行かないか誘うと、「今日すごい寒いよ、コーヒーあるよ。淹れようか」って乗ってこない妻。

 ほんとに些細なことなんだけれど、積み重ねるとそれが、離婚の理由でも堂々たる地位を占めている 価値観の相違 とか 性格の不一致 とかになる。

 一緒になると、嘘のない、無理のないコミュニケーションとか関係性になってくる。

 

 

もうバイオリンはやらないの、と言った彼女。

「これがいまのわたしのやりたいことなの。私、いま幸せだよ」

 

「そんな風に言う彼女を、どこか退屈に感じてしまって」

 

彼女が生活してる場所は狭いから、話題は大体テレビの話で..。

でも俺が聞いてあげなきゃって。

 

俺、妻に背中押されて、ベランダから落ちたんですよね。 

 

 

巻幹生(宮藤官九郎)は同僚と行った居酒屋で、

「外で唐揚げ食べるときくらい好きに食わせてくれよ」

って言ったのを同じ店にいた妻に聞かれる。

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愛してるよ。

愛してるけど、好きじゃない。

 

 

自分がいたたまれなくなって、ラー油買って来ると家を出て行った妻。

追いかけるでもなく、その後出て行った夫も、家にはいられなかった。

誰もいなくなった二人の家。

 

いつまでも恋人みたいでいよう、って言ってた夫婦だから。

その 違う という感覚は痛切過ぎた。